香典案内所〜基礎知識から応用まで〜

2021年02月10日

葬儀・告別式(葬式)の意味と簡単な流れ

葬儀と告別式は、通常、通夜の翌日に行われる儀式です。この二つは、本来全く別の意味を持った儀式でした。葬儀は、故人の冥福を祈るために遺族や親族が営むもので、死者をあの世へ送り出す、宗教的な儀式です。一方、告別式は、遺族や故人と生前親交のあった人々が、故人を偲び、最後の別れをする役割をもつ社会的な儀式です。

最近では、社会事情や、時間的な問題、斎場の都合等により、葬儀と告別式を同日に済ませてしまうことが多くなっており、この二つを一体化したこの形を「葬式」と呼ぶことが一般的になっています。葬式の流れとしては、僧侶と遺族の入場に始まり、あいさつ、読経、弔辞・弔電、遺族の焼香、一般参列者の焼香と続きます。

葬式が終わると、故人との最後のお別れとなる「お別れの儀」を行います。祭壇に供えられた生花(別れ花)で、焼香に参加出来なかった幼い子供を含め全員が参加し、ご遺体を飾ります。故人の愛用品などを棺に納めるのもこの時です。

喪主もしくは遺族代表があいさつをし、出棺となります。最近では、これまでの、しきたりにとらわれた別れの形ではなく、音楽葬やフラワー葬、自然葬や散骨など、生前の故人の遺志が尊重されることも多くなりました。自由葬と呼ばれる形式では、その名の通り、式次第に特に決まりはなく、僧侶を呼ばない、読経をしないなど、宗教色を完全に排除したものもあります。